Amazon Flexや出前館、宅配の業務委託で走る軽貨物ドライバーの皆さんに、2025年4月から「業務の記録」(いわゆる運転日報)の作成・1年間保存が求められているのをご存じでしょうか。一人で事業をしている個人事業主も対象です。

この記事では、①制度で求められている記録の中身(国土交通省の一次情報ベース)、②そのままダウンロードして使える無料のExcel日報テンプレート(Googleスプレッドシートでも使えます)、③1日分の記入例と書き方のコツ、をまとめました。

2025年4月から「業務の記録」の作成・1年保存が求められています

重大事故の増加を背景に法令が改正され、貨物軽自動車運送事業者(黒ナンバーで貨物を運ぶ事業者)の安全対策が2025年(令和7年)4月から強化されました。その柱のひとつが業務の記録です。国土交通省の公表資料(貨物軽自動車運送事業の安全対策・2026年7月4日確認)によると、行った業務について主に以下の項目等の記録を作成し、1年間保存しなければならないとされています。

  1. 運転者等の氏名
  2. 車両番号(ナンバープレート等)
  3. 業務の開始、終了及び休憩の日時
  4. 業務の開始、終了及び休憩の地点
  5. 業務に従事した距離
  6. 主な経過地点

あわせて押さえておきたいポイントが3つあります(いずれも同資料より)。

なお、この改正で求められるようになったのは業務の記録だけではありません。乗務前後の点呼(記録は1年間保存)、事故の記録(3年間保存)、貨物軽自動車安全管理者の選任・届出などが体系として定められています。全体像は上記の国土交通省ページで確認してください。

無料Excelテンプレートのダウンロード

上の6項目に沿った記入欄+メモ欄を備えた日報テンプレートを作りました。無料・登録不要で、そのままダウンロードして使えます。

📥 日報テンプレートをダウンロード(Excel・無料)

.xlsx形式(約12KB)。Excelのほか、Googleスプレッドシートにアップロードしても使えます(関数はSUMのみ使用)。個人・自社の業務での利用は自由です。

テンプレートの中身は次の3シートです。

ご注意: 本テンプレートは記録づくりを補助するもので、法令上の様式・記載事項・保存要件への適合を保証するものではありません。国土交通省も業務記録の様式例を無料公開しています。最終的な要件の確認は、国土交通省の公式情報および所轄の運輸支局で行ってください。

書き方の実例(1日分)

宅配委託で1日走った場合の記入例です。テンプレートの「記入例」シートにも同じ内容が入っています。

記入欄記入例書き方のポイント
運転者等の氏名山田 太郎シート上部に月1回書けばOK(テンプレートでは上部の欄に記入)
車両番号横浜480 あ 12-34ナンバープレートの表記をそのまま。これも上部に月1回
日付7/1(火)深夜0時をまたぐ勤務は「開始した日」の行に書く
業務開始 時刻8:05自宅や車庫を出て業務を始めた時刻。24時間表記で
開始地点自宅(横浜市旭区)「自宅」「◯◯営業所」+市区町村くらいの粒度で
休憩の日時12:10〜12:50複数回なら「12:10〜12:50、15:00〜15:15」とまとめて1セルに
休憩の地点◯◯コンビニ駐車場(横浜市瀬谷区)店名が長ければ「コンビニ駐車場+市区町村」で十分
業務終了 時刻19:40日をまたいだら「翌1:30」のように書く
終了地点自宅(横浜市旭区)開始と同じなら同じ内容を書く
業務に従事した距離82.4 km出発時にトリップメーターをリセットしておくと帰庫時に読むだけ
主な経過地点△△営業所 → 瀬谷区・大和市の配達エリア → △△営業所荷積み場所と主な配達エリアの流れが分かる程度で
メモ(任意)宅配便130個・夕方に雨個数・天候・体調など。後で単価や稼働を振り返る材料になる

続けるコツは「帰庫したらその場で1行」

日報が続かない一番の原因は「あとでまとめて書こう」です。記憶が新しいうちなら1行1〜2分で書けますが、数日分をさかのぼると開始時刻も休憩も思い出せません。帰庫してエンジンを切ったら、その場でスマホかその日の行を埋める——これだけで習慣になります。トリップメーターの出発時リセットとセットにするのがおすすめです。

よくある質問

Q1. 手書きでもいいですか?スマホでもいいですか?

国土交通省のリーフレットには、各種の記録・保存はパソコンやスマートフォンでの実施も可能と明記されています(2026年7月4日確認)。手書きの帳票でも、Excelやスマホでの記録でも、求められる事項が記録され1年間保存できる形であれば手段は問われていません。

Q2. 日報はどこかに提出する必要がありますか?

国土交通省の公表資料で求められているのは「記録の作成と1年間の保存」です。定期的な提出手続きは同資料には記載されていません。ただし個別の運用や最新の要件は変わる可能性があるため、確実なところは所轄の運輸支局にご確認ください。

Q3. バイク便(二輪・三輪)も対象ですか?

リーフレットでは、業務の記録を含む一部の義務について、三輪の軽自動車や二輪の自動車を用いる事業は対象から除くと示されています(2026年7月4日確認)。自分が対象かどうかの最終確認は、国土交通省の公式情報・所轄の運輸支局で行ってください。

Q4. このテンプレートを使えば法令対応は大丈夫ですか?

いいえ、保証はできません。本テンプレートは国土交通省が挙げる6項目に沿った記入欄を用意した「記録補助ツール」であり、法令上の様式・記載事項・保存要件への適合を保証するものではありません。また、法令で求められているのは業務記録だけでなく、点呼や事故の記録など複数あります。国土交通省の様式例とあわせて確認し、最終判断は所轄の運輸支局の公式情報に従ってください。

Q5. 深夜0時をまたぐ勤務はどう書けばいいですか?

業務を開始した日の行に1行でまとめ、終了時刻を「翌1:30」のように書く方法が実務上は分かりやすいです。日をまたぐたびに行を分けると、稼働日数や日別の並びが崩れやすくなります。

毎日の記録、手書きにするのは日報だけで十分です

業務記録(日報)はこのテンプレートで作れますが、軽貨物の個人事業主が毎日記録したいものはもうひとつあります。売上と経費です。委託元ごとの売上、ガソリン代や駐車場代、月の利益と時給換算——これらまで手書き・手集計するのは、正直つらい作業です。

紙やExcelの日報で法令上の記録を残しつつ、お金の記録と集計はハコ日報に任せる——この組み合わせなら、毎日の事務は数分で終わります。

出典(2026年7月4日確認)